お通夜にふさわしい服装・喪服のマナーをご紹介(女性・男性・子ども)
1. 女性参列者の服装のマナー
1-1. 注意すること
光沢のない生地で作られた、黒のフォーマルスーツやアンサンブルなどが望ましいです。
できるだけ露出の少ないデザインを選ぶ時良いでしょう。
スカート丈は膝が隠れる長さがベストです。
よくネットにレースやフリルはNGとされていますが、喪服に使われているレース、フリル、サテンなどはデザインの一種ということです。
つまり、華美にならないことがポイントになります。
例えば、お祝いの席で着用するようなスパンコールやラメ、綿・麻・ニットなどの素材、キラキラと輝く装飾品、過度な肌の露出などを控えることが注意するポイントです。
1-2. 喪服について
喪服の着こなしのマナー基本ポイントは、5つあります。
1.全身が黒であること
2.肌の露出が少ないこと(襟刳りがデコルテを隠していること・肘膝が隠れること)
3.シルクまたは、シルクのような素材であること(トリアセテート・ポリエステル・レーヨンなど)
4.華やかな印象にならないこと
5.着ているだけでお悔やみをお伝えするお仕立てであること
フォーマルウェアとして創られたものを選ぶ事をお勧めします。
1-3. コートについて
コートに関する厳密なルールはありませんが、
明るい色のコートを羽織るのは好ましくはありません。
色に関しては、黒を選ぶのが無難です。
面積が大きいので、目立ってしまうことが考えられるからです。
色に関しては人によって感じ方が様々ですので、黒、またはグレーなど、より黒に近い暗い色を選ぶのがベストです。
素材は、カシミヤやウールなど、普段使いの黒のコートでも大丈夫です。
丈は喪服のスカート丈に合わせて長めなものを、1着用意しておくと安心です。
1-4. 靴・カバンについて
喪服を着用するときは、靴・バックともに黒である事がマストです。
フォーマルな席で着用する喪服は、オートクチュールの一着ずつ丁寧に創られるお仕立てからスタートしました。
この名残から喪服には黒の布のバックをとよりフォーマルと言われています。
バックはお手元のアクセサリーですから、最小限の物を入れて手にするのがエレガントです。
入りきらないお荷物は黒のサブバックにいれて持ちましょう。
靴も厳密なルールはありませんが、黒の布製の方が美しい装いです。
最近は撥水加工を施した良い靴がありますので一つ揃えておくと重宝します。
1-5. ストッキングの色について
喪服では、基本として黒のストッキングを着用します。
ナチュラルなストッキングはNGではありませんが、あまりお見かけしないので黒をお勧めします。
気温によっては、黒のタイツでも構いません。
寒さを我慢するより、その場を快適な状態で参列する方が大事だからです。
喪服のスカート丈が膝くらいのときは、少し濃い目の黒のストッキングやタイツの方が美しく見えます。
全体のバランスでお選びになることをお勧めします。
1-6. メイク・ネイルについて
お通夜・お葬式でのメイクは華やかにならないように注意します。
ノーメイクでは失礼に当たりますので、ファンデーションで肌を整えて、アイメーク・リップは色を抑えたものにしましょう。
ネイルは最近流行のネイルアートは華美であれば、落とす事が基本マナーです。
取り急ぎ、手袋を用意して隠す方が無難です。
たた、お焼香の際は指先は以外と視線を集めますので、色んな方々見ると言った点からすると落とす方が良い場合もありますのでご注意ください。
1-7. 髪型について
髪型は、ロングヘアは後ろの低い位置で束ねます。
パレッタやリボンを使うときは、光らない小さめな黒のものをえらびます。
金髪や茶髪はできれば抑え目のお色に変えたいですが、間に合わないときは、黒のトーク帽や黒のリボンで華やかさをトーンダウンすると良いです。
喪服と同じで華美にならないことがポイントです。
髪型でも、遺族に対する悲しみの気持ちを表現しますので、すっきりまとめるのが良いでしょう。
1-8. アクセサリーについて
アクセサリーはつけることでフォーマルの装いは完成します。
お通夜・お葬式の席でアクセサリーは華やかになるから避けたほうが良いと思う方も多くいらっしゃいますが、ここはフォーマルウェアの着こなしマナーとして大切で、マストです。
白パールやグレーパール・オニキス・ジェットなど、喪の席にふさわしいアクセサリーはつけることで、フォーマルの装いは完成します。
金属アレルギーの方や夏場の暑い時期などはブローチだけでも着用することをお勧めします。
1-9. ハンカチ・数珠について
数珠(念珠)は、仏式のご葬儀のときに手を合わせるときに使います。
多くの宗派でも使える片手念珠をひとつそろえておくと良いでしょう。
色や珠の種類に区別はありませんので、手の大きさに馴染む控えめのものを選びましょう。
悲しみの席ではハンカチは必須アイテムです。
涙や汗を拭く事はもちろんですが、汚れの目立ち易い喪服やバックなどの持ち手をハンカチでカバーしたり、着席時に膝に敷いたりと重 宝します。
色は白か黒などの地味なものが良いでしょう。
2. 男性参列者の服装のマナー
2-1. スーツについて
男性のスーツには、黒の喪服(フォーマルスーツやブラックフォーマル)、もしくは黒・濃紺・濃いグレーのダークスーツを選びましょう。
生地は光沢のない素材を選びます。
スーツ自体にはシングルかダブルといった決まりはありませんが、上下違いは避けましょう。
そして、パンツの裾はシングルのものを着用するようにしましょう。
2-2. シャツについて
光沢のない白無地を選びます。
形としては、レギュラーカラーで長袖のワイシャツを着用します。
色付きのシャツや柄の入っているもの、ボタンダウンタイプはNGです。
カフスボタンなども外しておきましょう。
女性の服装と同じく、華美にならないことがポイントです。
見ていて不快になるような色や柄のシャツにならないよう注意ましょう。
2-3. ネクタイについて
色は黒が基本です。
光沢のない黒無地のネクタイが好ましいでしょう。
無地のネクタイが見当たらない場合は、華美にならないよう、できるだけ柄が目立たないタイプを選びましょう。
ネクタイを結ぶ歳は、お悔やみの場でのマナーとしてくぼみ(ディンプル)を作らないように結び、ネクタイピンは付けないようにしましょう。
2-4. ベルトについて
ベルトは、黒無地でシンプルなデザインのものを選びましょう。
大きく目立つバックルやクロコやヘビ柄などのデザインはあまり好ましくはありません。
黒無地のプレーンベルトが無難でしょう。
大きなバックルが付いているものや、ワニや蛇などの柄がデザインされているもの、鋲が打ち付けてあるなど、目立つようなものは好ましくありません。
派手にならないことをお勧めします。
2-5. 靴・カバンについて
男性が着ているスーツには、ポケットがたくさんあるので、香典や袱紗のほか必要なものは、ポケットに収められますが、ポケットがパンパンに膨らんでいるのはスマートてではないので、持つ場合は黒無地のシンプルなクラッチバッグなどをもっと良いでしょう。
靴は、つま先がストレートチップのデザインを選びましょう。
つま先に何も飾りがないプレーントゥの靴でも問題ありません。
金具付きはNGです。
3. 子どもの参列者の服装マナー
3-1. 制服着用
学生の場合は喪服の代わりにいま通っている学校の制服を着用します。
学校によっては、制服の色が明るい、パンツやスカートがチェック柄などの場合もありますが、学生服が正式礼装とされています。
ただしマナーとして、シャツの裾をパンツに入れる、ボタンを留める、スカートを折り曲げないといった、校則に定められているとおりの装いを心がけましょう。
3-2. 私服で参列する場合はダークカラー
制服がない場合は、黒や紺、グレーなどの地味な色合いのダークカラーの服装にしましょう。
赤ちゃんもできるだけ飾りのない、華美にならないような地味な服を着せます。
シャツ・ブラウスは白、全体的には黒や濃紺、濃いグレー、靴下は黒か白、靴もできるだけダークカラーを選びましょう。
こどもとは言えども、服装から気持ちが伝わるようにしまょう。
3-3. 周りへの配慮を忘れずに
お子様とは言えども、葬儀の場であることは忘れてはなりません。
制服がある場合は、制服で問題はありません。
ない場合でも、ダークカラー中心の装いを心がけます。
キャラクターものやラメがあるものなど、大人と同じく、華美になってしまうものは避けましょう。
髪型もしっかりまとめます。
参列する際、周囲への配慮が重要です。
4. まとめ
喪服についての装いについてご紹介してきました。
お通夜・お葬式では、故人を悼み、その親族のお気持を察するという配慮が大切な場です。
喪服をきちんと着用して参列されることは、「お悔やみの気持」を伝えることになります。
ご遺族には「お忙しい中、整った装いで参列くださった」と、気持が伝わることでしょう。
そのお気持を簡略化することなく、喪服を装いたいものです。