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1. 香典の正しい入れ方

1-1. お札の裏表・上下の確認方法

突然の悲報。

急に香典を用意する場面になることは多いと思います。
そんなときに、とっさに思い出せないのが香典のお札の入れ方です。
ここからは、香典の正しい入れ方についてご説明します。

初めにお伝えしたいのは、お札には「表裏」、「上下」があるということです。
まず、「表裏」については、お札の肖像が描かれているほうが「表」、描かれていないほうが「裏」となります。

また、「上下」については、表側を縦に置いたときに、左側に数字が記されているほうが「上」となります。
簡単な覚え方としては、【肖像がある=表、数字が左上にある=上】と頭にいれておくと忘れにくいかと思います。

香典を包む場合は、正しいお札の向きを確認していきましょう。

1-2. 中袋がない場合の入れ方

香典袋に中袋が付いていない場合がありますが、その場合は直接香典袋にお札を入れます。
中袋が付いていないからといって、失礼にあたってしまうということはないので、ご安心ください。

香典袋へのお札の入れ方は、袋の「表側」に対して、お札が「裏側」となるように入れます。
お札を裏にするのは、香典はお悔やみなので「顔」を伏せるという意味が込められているという説もありますが、お札の上下については、地域差があるようですので、裏側だけを意識すれば良いでしょう。

中袋がある場合は、通常、中袋に住所・氏名・金額を記入する欄があります。
しかし、中袋に入れない場合は、香典袋に直接記入する必要がありますので、忘れないようにしましょう。

1-3. 中袋がある場合の入れ方

中袋なしについてご説明致しましたが、市販の香典袋には、おおよそ中袋がついています。
香典袋に直接ではなく、中袋(内袋)に入れるのが一般的です。

まず、中袋にお金を入れていきましょう。
その際のお札の向きは、中袋を表向きにした際に、お札を「裏側」(人物の顔が裏側)の状態で入れます。
お札の肖像が伏せた状態にすることで、故人へのお悔やみ・悲しみや故人との別れの気持ちを意味します。

お札の上下としては、中袋の底側にお札の「下」(肖像が下側)がくるように入れます。
ただし、上下が反対という地域もあります。

また、中袋には、名前・住所・金額を記入します。
金額は「金壱萬円也」のように漢数字を使って書きましょう。

1-4. 中包みへの入れ方

香典袋によっては、中袋が中包み(奉書紙)になっている種類のものもあります。
書紙とは、弔辞を書く用紙に使われたり香典やお布施を包むのに使われたりする用紙のことです。

ツルツルしている面は表、ザラザラしているほうが裏になります。
折り目があるものであれば、折り線に沿ってお金を入れますが、中包みの表に対してお札が裏側(人物の顔が裏側)になるようにします。

中包みをたたんでいった際に、最後に折った紙が裏側になるように入れましょう。
折り目がない場合でも同じく、下側の折り返しに上側を被せます。
複数枚入れるときは全ての向きを揃え、折れ曲がることがないように丁寧に入れましょう。

2. 香典を入れる際の注意点

2-1. お札の枚数にも注意が必要

香典に包むお札の枚数については、明確なルールがあるわけではありません。
一般的には、1枚、3枚、10枚あたりにするのが通常です。

数字の注意点としては、日本では「4」や「9」を縁起の悪いものと捉える風習があり、中には、「死ぬ」「苦しむ」を連想する方も多く、人によって失礼と感じることもあるようです。

香典を用意する際には、たとえ相場内だったとしてもできるだけ避けておく方が無難です。
また、偶数は割り切れる数字であるため、「故人とこの縁が切れてしまう」という意味を持ちますので、快く思われない方もいます。
無用なトラブルを避けるためにも、お札の枚数は奇数で用意することと覚えておきましょう。

枚数としては、5000円を包む場合は1000円を5枚でも大丈夫です。

2-2. 新札や欠損しているお札は使わない (片手念珠、男性用、女性用)

お札の状態についても注意点があります。
まず、新札は避けること。

お祝いごとのご祝儀では新札を使用しますが、悲しみごとの香典は、不幸を予想してあらかじめ用意していたように感じ取られてしまうからです。
中には気にされない方もいますが、快く思わない方もいます。
どうしても用意できなかった場合は、折り目をつけて対処しましょう。

反対に、シワがあったり汚れたり、使い古したりしたぼろぼろのお札はどうでしょう。
受け取った側も気持ちが悪く、礼儀に欠けてしまいます。
また欠損して欠けているお札については、使用できない可能性があります。
たまに破けて角がなくなっているものもありますので、使用を避けるのがマナーです。

3. 入れ方以外の香典マナー

3-1. 香典の金額相場について

お葬式に参列する際、一番頭を悩ませると言われる香典の金額。
いくらにするのがよいか悩んでしまいますよね。

香典の金額には一定の相場があります。
金額の相場は故人との関係性、自分の年齢によっても、包む金額は異なり、親密な関係になればなるほど、金額は高額になる傾向があります。

【一般的な相場】
祖父母 1万円〜5万円
伯父・叔父、伯母・叔母 1万円~3万円
兄弟姉妹 3万円~5万円
両親 3万円~10万円
そのほかの親族 3,000円~3万円
友人・知人 3,000円~1万円
近隣の人 3,000円~1万円
仕事関係者 3,000円~1万円

また、自分の年齢でも香典に包む額の相場は変わっていきます。

例で言いますと、祖父母が亡くなったときに包む香典の額は、20代なら1万円、30代は1万円~3万円、40代は3万円~5万円と年齢が上がるにつれ比例して上がります。

なお、仕事関係の付き合いがある人が亡くなり職場で香典を出す場合、お金を集める場合は、あらかじめ奇数で金額を決めておき人数で割るとよいです。
年代がバラバラの場合は、周りの人と相談をして金額が揃うようにしてお金を出すことが重要です。

3-2. 香典袋の選び方と書き方

香典袋にも種類があり、迷う点の一つに挙げられます。
一般的には、金額を基準にした香典袋の選び方があります。
ポイントは、金額につりあったふさわしいものを選ぶことです。

まず、香典袋に入れる金額が5,000円以下の場合は、簡易的な白黒の水引が印刷になっている種類を選びます。

また、金額が1~万円3万円であれば、水引がプリントされたタイプではなく、帯紐で結ばれている高級感のある種類を選びましょう。

さらに、銀色一色の双銀の水引は、50,000円以上の時に使われることが多く、大きさの種類も豊富です。

中には、10,0000円程が入るものもありますが、50,000円以上の金額を包む場合は、金額に合ったサイズのものを使い分けることが必要です。

迷ったら金額をベースに香典袋の種類を選ぶという意識を持つと良いでしょう。
不安があるようでしたら、一緒に参列する方に確認するのも一つの手です。
水引がプリントではなく、折ったあとに結ぶタイプであれば、最後の折り込み口を「上」を「下」へかぶせます。

続いて、中袋の書き方についてです。
受け取りの遺族が香典を整理する際、何も記載がないと、誰のものかいくら入っていたのか、住所がどこなのか分からなくなります。

配慮の一つとして、中袋にも、自分の住所、氏名、金額を記入しましょう。
記入欄がない場合は、表に漢数字で金額を、裏に住所と氏名を書くようにします。

不祝儀袋については、表書きは薄墨にするのがマナーですが、中袋は薄墨でなくてもよいです。
連名の場合は、中袋には代表者の住所と氏名を書き、全員の氏名を書いた中紙を、お札と一緒に添えましょう。

不祝儀袋の表書きは、仏式では「御霊前」「御仏前」「御香典」、神式では「御玉串料」「御榊料」、キリスト教では「御花料」などとするのが一般的です。

表面の水引の上に「御霊前」など、下に氏名を書きます。
遺族がお礼状を送るときに困らないように配慮して住所も忘れずに記載しましょう。

3-3. 香典袋の正しい包み方

葬儀やお通夜に向かう場合、香典は袱紗(ふくさ)に包むことが一般的です。
また、奉書紙やハンカチを使って包む方法もあります。
な訃報が入り、慌てないためにも袱紗を1枚準備しておく、または奉書紙やハンカチを用意しておくとよいでしょう。

ここから、袱紗・奉書紙・ハンカチを使った香典の包み方をご説明します。
香典袋を包むふくさは大きく分けて2種類あります。
挟むタイプと折りたたんで包むタイプです。

挟むタイプであれば香典袋の向きに気を付けて挟み込むだけなので簡単です。
挟むタイプは左側が開くようにします。
右側が開くようにするのは慶事の時です。
左開きで表書きが前になるように挟みましょう。

折って包むタイプの場合は正しい折り方に注意します。
ひし形になるようにふくさを開き、中央から少し右に香典袋を置き、右側、下側、上側の順に角を中心に向かって折り込み、左側を最後に折ります。

色に関しては、寒色系が弔事、暖色系が慶事という考え方もありますが、明確にルールはありません。
周りの目線が気になる場合、両方で使いたい場合は、むらさき色など兼用に見られる色の袱紗をもっていると便利です。

奉書紙で香典を包む場合は、ツルツルした面が「表」で、文字を記入する面となります。
ザラザラした面が裏側となります。

また、折り方は不祝儀の折り方で、下側の折り返しに上側を被せます。
慶事の場合は逆ですので、折り方を間違えると全く反対の意味合いになるため注意しましょう。

ハンカチを使った香典の包み方としては、ハンカチの角を上下左右の位置で置き、ハンカチの中央より少し右に香典袋を置きます。
「右側・下側・上側」を順に折り、最後に「左側」を折ります。

色みは、白や黒、ふくさにあるような色で、ハンカチアイロンをかけるなど見た目にも気を配りましょう。
ふくさや、奉仕書がなくても、ハンカチを使用することができるので、慌てず包んでいきましょう。

3-4. 香典を渡すタイミング

いつ香典を渡したら良いのか、迷うものです。
いつ、どの場面で香典を渡すとスムーズなのか、またどのような挨拶をするとよいかご案内します。

基本的には告別式でお渡します。
お通夜は家族や親族などの近親者が集まって故人をしのぶための時間となります。
告別式は故人とゆかりのあった方々、友人や職場関係の方が、故人と最後のお別れをする会となりますので、ここでお渡しするのがベターです。

お通夜と告別式両方に参列する場合も、告別式の受付で渡すようにしましょう。
お通夜と告別式ともに参列する場合でも、香典は一回のみのお渡しで問題はありません。
お通夜にしか参列できない、反対に告別式のみの参加になってしまう、このような場合も参列できる日に渡しましょう。

告別式への参列が難しいためお通夜でお渡ししたい場合は、そのご家族に手渡しでお悔やみの言葉とともに渡すか御霊前にお供えするようにしましょう。
参加できない場合は、代理人に依頼する、後日郵送するという方法もありますので、できる方法で香典をお渡ししましょう。

3-5. 香典を郵送する場合

本来であれば手渡しするほうが良いですが、葬儀後、翌日か翌々日に郵送することもできます。

葬儀を行う会場宛てに弔電と香典を郵送しておくこともできます。
香典は香典袋にお金を入れ現金書留で送ります。
中袋には住所、名前、金額の必要次項を忘れずに記入しておきましょう。

それと一緒にお悔やみ状を同封することも忘れないようにすることが好ましいです。
お悔やみ状は、弔問できなかったことへのお詫びの言葉など、ご遺族に対して温かみのある言葉で書くことが望ましいでしょう。

また、お通夜や告別式には参加できなかったが、ご自宅へ直接うかがって手渡ししたいと思う場合は、四十九日を過ぎる前にご遺族へ連絡をとって伺い、仏前にお供えしても問題ありません。

49日を過ぎてからの知った場合は、香典以外のものを渡すかお送りしましょう。

4. まとめ

これまで、香典のお金の入れ方、香典を入れる際の注意次項、金額相場、香典袋の選び方、書き方、包み方、参列が難しい場合の対処方法など、ちょっと悩んでしまう香典についてご説明しました。

香典には故人へお悔やみ、ご遺族の方へのねぎらいの気持ちが込められています。
状況に応じての対応になりますが、相手方に負担をかけずに気持ちを伝えるよう、マナーやルールを守って渡すよう心がけましょう。
ご遺族の気持ちに寄り添うことが1番重要なポイントとなります。

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WRITER
FORMAL MESSAGE.com編集部

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